2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

野口さんの遺した言葉

野口剛夫氏が急逝されてもう4ヶ月が過ぎた。 彼の死がクラシック音楽界に何か危機感を与えたかというと、正直そんな影響はないかもしれない。 彼と最初にメールでやり取りを始めた時、ご自身が自分は白眼視されていると書かれた。 あの頃、野口氏のされてい…

「メンゲレと私」を見て考えたこと

1.三部作の共通点と今回の異なる点 「メンゲレと私」鑑賞した。前作2作「ユダヤ人と私」,「ゲッベルスと私」と共通のB&Wで最初から最後までインタビューが流れる様式だが,アフタートークで渋谷先生が解説されていたように,前作2作ではインタビューの…

どこまでも共生を求め過ぎて歪曲する人々について

日本の「道」の文化、茶道、花道、剣道、柔道などは可視的には技術を磨く鍛錬と稽古だが、それだけでは不十分で、精神の鍛錬も要求される。 つまり技術が秀逸で素晴らしい生花、感心する程上手い茶の出来具合、小気味良い一本や敏捷で素早い小手も、それは技…

テクスト批判と作品解釈について(執筆中)

Textkritikを気にする文学愛好家はもはやディレッタントではなく、本物の文学研究に足を突っ込んだ者だと言える。 例えば夏目漱石の作品を読むのに新潮文庫や岩波文庫、角川文庫で読むのは普通だろう。まさかここで岩波書店の漱石全集を買ったり借り出す人は…