2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

Humanitas 「人間らしさ 」に就いて

FAUST: Habe nun, ach! Philosophie, Juristerei und Medizin, Und leider auch Theologie! Durchaus studiert, mit heißem Bemühn. Da steh ich nun, ich armer Tor! Und bin so klug als wie zuvor; Heiße Magister, heiße Doktor gar, Und ziehe schon an…

邦訳『ファウスト』翻訳者の系譜

1.ドイツ文学者および大学でドイツ語・ドイツ文学を講じている学者 桜井政隆訳、ファウスト、大村書店 、1925(大正14)(学習院・第八高等学校)→大村書店版全集収録(のちに大東出版社) 茅野蕭々著、ファウスト物語、岩波書店、1926(大正15)(慶応大学)…

Gérard de Nerval のこと

昨年末 Cimetière du Père-Lachaise を訪れたが,その目的は Goethe も絶賛した Faust の仏語訳者,後に作家・詩人として名を殘す Gérard de Nerval (1808-1855)の墓参。折角巴里に來たのだから,誰か自分の興味ある人物の墓参りをしてみたかった。 Nervalが…

小澤征爾のこと

小澤征爾が鬼籍に入った。 この人の前にベルリン・フィルを振った山田耕筰,近衛秀麿,貴志康一は留学中に自腹で楽団を雇って自作を指揮し録音した面々。 youtu.be 一方小澤征爾はお金でベルリン・フィルを振らせてもらった人ではない。 齊藤門下の一番弟子…

映画「陽炎座」4K版のÄsthetikと泉鏡花の原作の耽美觀,そして「夢二」へと続く女の情念の発展

0.はじめに 2月上旬近所のシネマで鈴木清順作品4K化として所謂浪漫三部作が上映された。 この文章は2月5日に鑑賞した「陽炎座」についてその原作である泉鏡花のそれと比較することでめいめいの「美」について考察してみたい。 更に翌6日に鑑賞した「夢二」…